ゆがみと筋肉の硬縮
最初はわかりきったことを述べていますが、
最終的に治療を加える筋肉を見分ける大切なポイントになるので、
飛ばさず読んでください。
筋肉が硬縮すると、骨の位置を変えようとする力が生まれる
筋肉が老化などで硬縮すると、
筋肉が収縮していない状態(脱力の状態)でも、
骨の位置を変える力が発生するので、
身体のゆがみが生じます。
筋肉が硬縮しても、骨が動かなければ、骨との間に張力が生じる
筋肉が硬縮しても、骨が動かなければ、骨との間に張力が生じます。
いつも引っ張られていたら筋肉は我慢できません。
異常が生じていることを、筋紡錘から知覚神経で脳に伝えられるかもしれません。
(常時筋肉が伸びている違和感の感覚といして)
しかし張力に順じて骨の位置が変われば、筋肉に張力は発生しません。
そのため、骨の位置が動くことが可能であれば、骨の位置が変化して、ゆがみが生じるのです。
実際は、骨にかかる筋肉の力の総和でゆがみが生じる
しかし一般的な骨は複数の筋肉が関係しています。
たくさんの筋肉の伸縮の影響を受けて、姿勢を保ったり、運動をしています。
だから、骨の位置が変わりゆがみがでるか、実際のゆがみの形は、
他の筋肉との力のバランス(力の総和)で変わってくるのです。
筋肉の硬縮が、他の筋肉を損傷させていることもある
しかしそれが、関係するすべての筋肉にプラスマイナス0のゆがみになっていればいいのですが、
一つの筋肉にとっていいことが、他の筋肉を常時引っ張っていることになったりもするわけです。
すべての筋肉が同じように硬縮すれば、骨にかかる力の総和も0なので、痛みを生じません。
しかし、総和がプラスやマイナスであれば、どこかの筋肉にその負担がかかり、
度を超すと、筋肉や腱を損傷させ、痛みを作ります。
ある筋肉の硬縮が、他の筋肉の損傷を作るのです。
そういう時は、痛みが出ている部位だけでなく、
痛みの原因の筋肉にも鍼を刺して、筋肉を緩めてやらなくてはいけません。
そういう痛みの生じ方もあることを頭の片隅に入れておいてください。
硬縮筋肉を特定すること、筋肉の損傷原因を解明することは難しい
どの筋肉が硬縮しているのかを見分けるのはとても難しいことです。
ゆがみや痛みを生じさせている部位に関係する筋肉は複数あるからです。
見た目にはゆがみはなくても、周囲の筋肉がバランスよく硬縮していることもあります。
筋肉が、骨のどの部位に付着し、どの骨と骨を結び、
その筋肉が硬縮したらどういう張力を生むか、
収縮したら、どういう張力を生むかを、
一つ一つ頭に入れておかないと、
実際の患者さんを目の前にして、
”ゆがみの形と、多数の筋肉の力関係と、痛みの関係” から、
施術部位を決めることはできません。
実際はその上に、骨や軟骨た組織の変性まで考えないといけないのですから、
もっと複雑になります。
治療を行うことは、難しいのです。
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