目の下のしわが気になった

歳をとって、目の下のしわが気になってきた。

鍼で眼輪筋の縮みを防止すれば大丈夫だと思っていたが、

現実は、なかなか理想通りに治療せず、

(時間がなかったり、顔は鍼が痛かったり、洗顔後の皮膚の清潔な状態でないとだめだったりで、

実際はたまに気が向いたときにしかやらない)

どんどん年齢が隠せなくなってくる。

なんでこんなにしわができるんだ?

それと、目の下のふくらみは”涙ぶくろ”というけれど、涙腺なの??

(目の下にも涙腺があるの?)

腺には鍼刺したくないなー。だから解剖調べて確認しなくちゃ。

眼輪筋は目の縁まであるのだろうか?

学校で目の周囲の解剖も勉強したはずだけど、忘れてしまっているので、調べ直すことにした。

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まず、目の下のふくらみは”脂肪”で、

何らかの腺ではないことが判明した。

目の下の筋肉・靭帯・脂肪

で、歳をとると、どうしてふくらみがめだつようになるのか?

それは、”ロックウッド靭帯”が伸びるかららしい。

”ロックウッド靭帯”??記憶にない言葉だ!

 

眼球は眼窩に収まっているが、前方まで骨があるわけではないので、

こぼれ落ちないように、前方部分は複数の靭帯がはりめぐらされているらしい。

(眼輪筋で抑えているわけではなかった!)

目の周囲の靭帯

で、加齢で靭帯が伸びて、その下方にある脂肪を押し出すらしい。納得(^^)

目の下の部分は、靭帯と眼輪筋の2層になってるから、

複雑なしわができるのねぇー。

納得(^^)

これをどう治療に生かすかは、これから考えることにして、

とりあえず基本を勉強しました。

このことに気付かなかった皆さんは、

一緒に勉強しましょうね(^^)

 

 

膝関節前面に関係する筋肉

最近膝関節周囲が痛い患者さんが多いので、久しぶりに解剖の本を広げて

膝関節周囲の筋肉を見直してみた。

そうしたら、大内転筋が恥骨結合から二股の腱があることに気付いてびっくり!

はっきり覚えていなかった。

そして、ひとつの腱は、大腿骨内側上顆に付着していることに。

大腿骨内側上顆付近に圧痛がある人が結構いるが、

それは、脛骨粗面に付着する内側の筋肉の腱部分が傷んでいるのだと思っていた。

そういうこともあるだろうが、

大内転筋の腱の骨の付着部が痛んでいることも考慮しなくてはいけないことに気付いた。

ついでに膝関節前面に関係する筋肉も調べて、

筋肉の付着部を図にした。

分かっているようで分かってないことが、まだ多い・・。

歩行痛は、腸腰筋だけでなく、臀部の筋肉も考える

今年3回目のぎっくり腰。

今回は、長時間しゃがんで作業をした後、立ち上がった時に起きた。

じわじわと仙骨部が痛くなり、歩くと腰が抜けそうになる。

まっすぐ足を延ばして仰向けになれるから、大腰筋でなく、腸骨筋を痛めたのか。

腹部から届く範囲で腸骨筋を緩めたら、抜けそうな痛みはなくなったが、

今度は背中をまっすぐにして歩けなくなった。

 

それでも出かけなくてはいけなかったので、

なんとか歩く姿勢を探しながら、街中を歩かなくてはならなかった。

恥ずかしいけど、おばあさんのように、

背中を丸くして地面を見ながら歩いたり(顔を上げると痛いんだ)

骨盤を立てて歩くときは、身体をかがめて両膝を曲げた状態で、

ひょこひょこ歩かないと歩けなかった。

杖があれば、まだ楽だったかも。(杖を準備しとかなきゃ)

 

そのうちに、まっすぐ立っても痛くなった。

痛い部位は、尾骨部??!!

えっ?なんで??

いろいろ身体を動かして、どの筋肉が関係しているのかを関変えてみた。

 

そこで気づいた。

 

背中をまっすぐにすると尾骨部が痛い。

しかし、背中の力を抜いて、背中を丸めると痛みが消えるのだ。

その時、お尻の筋肉の緊張も消えるのに気づいた。

背中をまっすぐに入れるために背中に力をいれると、お尻にも力が入るのだ。

 

お尻の筋肉が関係していることの確認のために、片足立ちをしてみる。

そしたら、片足立ちが痛くてできない。お尻の筋肉も傷めてるんだ。

 

数日前、慢性腰痛の治療で(長時間の坐位ができない)L3・L4・L5の最長筋や腸肋筋の治療だけでなく、腰方形筋や腹横筋の緊張をとってやったら、かなり楽になって、快適に過ごしていた矢先のことだ。その際、腸腰筋や臀部の筋肉は治療しなかったから、バランスを崩したのだろう。

 

そこで、仙骨部や両方のお尻の硬い部位や圧痛部にランダムにたくさん鍼をした。

そうしたら、まっすぐ立てるようになった。

そして、まだ完全ではないけど、まっすぐ立って歩けるようになった。

 

今まで、歩行痛は腸腰筋のみ重視して、お尻の筋肉まで考えなかった。

痛みの部位も考慮にいれて、歩行時にお尻が痛かったら、お尻の筋肉も見過ごしてはいけない。

 

もーーー。腰痛の治療はむつかしい。

腰の下にクッションを入れると、臀部と恥骨部に痛みが出た

疲れたので昼寝をすることにした。

腰の下にクッションを入れて背筋を伸ばしながら寝ることにした。

そしたら、腰にクッションを入れて仰向けになると腰が痛かった。

左臀部から恥骨部に痛みが出る。

 

”腰を反らした状態で仰向けになった時に、左臀部から恥骨部に痛みが出る”

 

どうして、クッションを入れると、腰が痛いのか?を考える。

 

以下、何もしないで仰向けになった状態を(A)

腰にクッションを入れて仰向けになった状態を(B)とする。

 

 

まず、骨盤のゆがみを調べるために、

仰向けの状態で、左右の上前腸骨棘の高さを触診で確認した。

 

すると、(A)の状態で左側は、下の図のように、低くなり足の方に下がっていた。

(左骨盤が開き、前方に傾いている)

(B)にすると、左右差はなくなった。しかし、臀部と恥骨部に痛みが出る。

 

 

それから、お尻を触って、坐骨の位置を触診した。

すると、(A)の状態では、下の図のように、左坐骨が歪んでいて、

右側の坐骨のように床に付いていないことに気付いた。

 

これらのことから、左寛骨が、下の図(C)のように歪んでいると推測される。

 

そして、仰向けになって、腰の下にクッションを入れ、腰椎の前弯状態を維持すると、

寛骨の歪みは消えるが、筋肉が引っ張られて、臀部と恥骨部に痛みが出るということだ。

 

次に、腰の度の筋肉が骨盤の歪みに関係するのかを考える。

私は、腰方形筋だと推測した。

腰方形筋が縮んで、寛骨を引っ張り上げているのではないか。

 

そこで、腰方形筋部に数本鍼をした。

 

そして、(A)の状態で寝て、骨盤の傾きを調べた。

だいぶ左右差はなくなっている。

 

そして、クッションを入れて、(B)の状態で寝た。

そしたら、痛みは消えていた。

 

ということは、左の腰方形筋が縮んでいたために、左寛骨が歪んでいたことが考えられる。

 

はぁーーーー、骨盤のゆがみや腰の歪み、腰痛を治すのは、将棋や囲碁をしているみたい。

難しくて頭を使う(--)。。

 

 

 

坐骨神経痛と骨盤の開き

長いこと臨床をやっていると、脊柱間の狭窄が原因でなくて

片足の痛みや痺れがある人は、

悪い方の骨盤が開いている人が多く見受けられます。

(ここで言う骨盤とは、寛骨のことです。寛骨と言ってもわからない人が多いと思うので、省略して骨盤と言うことにします)

下図のAは正常な骨盤で、Bは開いた骨盤です。

それはどうしてでしょう?

どの筋肉が関与しているのでしょう?

寛骨を動かす筋肉はどれでしょう?

とりあえず、殿部の筋肉を

仙骨とつながっている筋肉と、つながっていない筋肉に分類しました。

仙骨が固定されていて、寛骨が後ろに引っ張られると、骨盤が開きます。

しかし、仙骨と寛骨が直接つながる筋肉はありません。

で、いろいろ考えた結果、

股関節と寛骨の関係はそのままで、梨状筋を縮めると寛骨が開くことを見つけました。

(股関節の位置が後ろにずれたら、寛骨はうごきませんが・・)

なるほど、

梨状筋が硬くなれば、梨状筋下口から骨盤外に出る坐骨神経は圧迫され、

神経圧迫による神経痛を起こしかねます。

そして、

寛骨が開けば、腰方形筋は伸ばされた状態になるので、腰方形筋自体が変性してなくても、痛みを引き起こし、腰痛になります。

 

そうしたら、梨状筋に鍼をして、硬縮を治せば、

神経の圧迫がなくなり、寛骨も元の位置に戻ります。

そして、腰方形筋の引き伸ばしもなくなり、腰痛も取れます。

 

しかし、実際は、もっと複雑です。

もともと梨状筋が硬縮する原因は腰痛にあるのですから。

みなさん、患者さんの身体をよく触って観察して、

治療を行いましょう。