灸頭鍼での失敗例その1~火傷の観察~

灸頭鍼で火傷~その1~

ー鍼体ーに沿って

内部が”炭化するほどの火傷”

をしました!

 

<いきさつ>

私は胃が悪いので、灸頭鍼のいろいろな実験の中で、
腹部(中脘穴)に灸頭鍼をすることにしました。

鍼は、2寸の5番、セネファの切り艾”比叡”を使いました。

最初は、切り艾の高さを体表から2cmにしました。
そしたら、熱さが全然物足りなかったので、
同じ部位で、2回目の艾に火を付けました。

そして、1回目が物足りなかったからと、
艾の高さを1cmにしたのです!!

艾が燃えていくにつれ、とても熱い!!!
我慢できないくらい熱くなりました。

しかし、鍼を触ることはできません。

鍼を抜くことも、高さを変えることもできません。

火のついた艾が転がり落ちる方が危険です。

絶対火傷をする!と思いました。

しかし、火傷はできるだけ軽いものにしなくてはなりません。

とりあえず、灰取り用の厚紙を、皮膚と艾の間に挟んで、
輻射熱による熱さを防ぎました。

すると、耐えることのできる熱さになったので、
艾の火が消えるのを待つことにしました。

しかし、鍼本体の熱伝導による火傷は防ぐことはできなかったため、
鍼体に沿った珍しい火傷をしていることだろうと、
経過観察することにしました。

(その経験をふまえて、鍼本体の熱さの調節のために、
濡れたピンセットを必ず用意することにしたのです。)

図の下から経過観察写真が載っています。

<観察>

<考察>

同じ部位に続けて灸頭鍼をしたために、
組織温度が蓄積され、過度な火傷をするはめになったのであろう。

それも2回目は、高さ1cmという、
それだけでも充分火傷をする高さである。

(その後、艾の高さの実験をしました。また投稿しますね)

なんとあさはかなことをやってしまった。
自分だからいいものを、こんなことは他人にはできない!

(私は未だかつて、私以外の人に、
灸頭鍼をしたことはありません。ご心配なく(^^)
施術のためのマニュアルが、自分の中で未完成のため、
只今模索中であります。
今は、自分の身体を使って、いろいろな設定で灸頭鍼をやっています。
灸頭鍼は、大変期待できる治療法だと思います。
なので、安全に患者さんに施術できるようになる日を楽しみにしています。)

<結果>

灸頭鍼によって、鍼本体の温度も過度に高くなると深部火傷をすることがわかった。

時には、深部が炭化するほどの火傷をすることもある。

(内部の状態や、炭化の深さなどは不明)

炭化部は、鉛筆の芯のように、黒く硬い状態である。

そのうち周囲から発赤腫脹してきて、化膿、膿が出るようになった。

約1か月後、中央の瘡蓋(かさぶた)は取れたが、周囲の発赤腫脹は消えなかった。

2か月後に再度水疱ができた。

その後水疱が治ると、3度目の水疱はできなかった。

1年経過して、発赤は消えたが、直径1cmの火傷跡は残った。

たぶん数年は消えないであろう。

 

<後記>

こういう火傷をすることは稀だと思われるので、

記録に残しておきます。

何かのお役に立ててください。

東京都在住 鍼灸師

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