うっ血による内痔出血から考えたこと

昨年の冬、数時間下半身を異常に冷やすことがあって、

その後トイレに行ったら、

真っ赤な鮮血便が大量に出て、

びっくりしたことがあります。

ついに大腸癌になったと思って落胆しましたが、

いろいろ調べてみたら、”内痔出血”だと判明しました。

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これは、鬱血による内痔出血だそうです。

なぜそうなったかというと、極度に下半身を冷やしたことにより・・・

血液まで冷えて、冷たい血液が全身に廻り、大切な脳や内臓を冷やして死に至るのを防ぐため、

防衛反応で、冷えている部分の血管が収縮して、血液が流れないようになるそうです

 

人は、軽度の冷えならば、冷えている部分の末梢血管を拡張させて冷えを防ごうとしますが、

対応しきれないと判断したら、

逆に動脈を収縮させ、血液を冷えた部分に流さない行動を起こします。

大事な部分を守るために、末端を見捨てる行動をし始めたのです。

 

確かにその時、今まで感じたことのない、身体の芯から冷える変な感じがしました。

だって、温かい血液が流れなくなっていたのですから・・今考えると当たり前ですよね。

 

そういう理由で、下半身の血管が収縮してしまいました。

しかし、血液量はそうすぐには変化しません。

下半身の動脈が収縮したら、その分どこかの血管が拡張しない限り、

全身の血管の臨界容積量は減るのに。

だから、血管壁の弱い部位が膨張するのです。

わたしの場合、それが肛門の血管壁でした。

そして、膨張に耐えかねて出血し、便として排出されたのです。

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若い時は、血管壁も厚くて弾力があり、伸縮性があれば、

破裂することもなかっただろうに、

歳を取って、血管が脆くなった証拠ですよね。

 

これって、脳や眼でも起きうることですよねー。

 

結局、血管壁を丈夫にしていなくてはいけないということですねー。

 

老化していく自分を実感した一例でした。

 

 

 

膝関節周囲の筋肉の詳細な見分け方

一度痛めるとなかなか治しにくい”膝”。

膝の痛みには、骨や軟骨に異常がない初期の段階でも、

骨の歪みや、腱や滑膜の炎症など、

考えなければならないことが多数あるが、

とりあえず、筋肉を狙って施術をする際、

筋肉やその腱に正確に施術をする ことが良いと思うので、

その見分け方のちょっとした技法を記載します。

 

”筋肉に力を入れると硬くなる”

当たり前のことを利用してやる検査法です。

 

知らなかった人は、ぜひやってみてください(^^)

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坐位姿勢で検査します。

①下腿を上げると(A)(B)大腿四頭筋が硬くなります。

②下腿を後ろに引くと(C)、外側では大腿二頭筋が、内側では半腱・半膜様筋が硬くなります。

③足首を動かす(D)と、足底筋腓腹筋が硬くなったり軟らかくなったりします。

 

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①下腿を上げると(A)(B)

 

大腿四頭筋が硬くなります

②下腿を後ろに引くと(C)

③足首を動かす(D)と、

②下腿を後ろに引くと(C)、外側では大腿二頭筋が、内側では半腱・半膜様筋が硬くなります。

③足首を動かす(D)と、足底筋腓腹筋が硬くなったり軟らかくなったりします。

 

特に膝内側は、施術場所(つぼ)の選択に迷うところなので、

大腿部の筋肉に影響のある部位をとるか、下腿部の筋肉に影響のある部位をとるか、

ちょっとした差ですが、大きな施術効果の差があると思いますよ。

どうぞ、頭の片隅にいれておいてくださればうれしいです(^^)。

首の側屈の際、Th1を固定するか否か

首のストレッチ(側屈)で考えました。

以前は、首の側屈の際は、体幹が動かないようにやった方がいいと思ってました。(A図)

 

確かに、僧帽筋の縁を伸ばすときは、その方が効率がいいです。

 

しかし、体幹(胸郭や上肢)を固定し、首の根元であるTh1を固定するためには、体幹が動かないように、

胸郭部分や肩甲骨、鎖骨、上肢部分の筋肉に力を入れなくてはいけません。

また、Th1を固定することは、果たしていいことなのでしょうか?

Th1を固定して側屈すると、

Ch7とTh1間の椎間孔が狭くなります。

とすると、年配の人は、手や肩に神経痛が出るのではないでしょうか。

力学の構造上も、カーブ(弧)の違う部位は、軟弱になります。

だから、年配の人は、無理に体幹を固定せずに、

体幹から自然に側屈させる方が良いと思います。(B図)

全身の力も抜けてますしね(^^)

 

 

 

骨は動く。しかし動かしてはいけない骨もある

腰痛の治療をして、逆に痛みを増させたことはありませんか。

 

筋肉を緩めれば、骨は動きます。

しかし、動かしてはいけない骨もあるのです。

 

また、急激に骨を動かすと、各筋肉への力のかかり具合が変わるので、

縮んで伸びない筋肉を無理に伸ばすこともあり、

かえって、筋肉や腱を痛めます。

 

また、骨粗しょう症の人や、骨間の靭帯がもろくなっている人、椎間板の繊維輪が軟弱になっている人は、

骨や靭帯や椎間板に損傷を起こす可能性もあります。

 

治療をする際は、

年齢や体質、生活習慣なども考慮して、

欲を出さずに治療しましょう。

横寝したときの背骨の形と2種類の神経痛

ご存じのように、人は、肩と骨盤の幅に差があります。

だから、固い布団や、畳・じゅうたんの上に直接寝たりすると、

背骨はまっすぐにはなりません。

例えば・・、

 

肋骨と骨盤の傾きが変わらなければ、腰椎部分が曲がります。

①のように骨盤がゆがんでくれれば、背骨がまっすぐになります。

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しかし、どちらにしても

上の図では、ウエストの下部分に空間ができるので、

背骨が疲れますね。

 

そこで、ウエストの下部分の空間を埋めるために、

下の④⑤⑥のように、胸郭や骨盤の傾きと、背骨が曲がる姿勢もあります。

④胸郭と骨盤が傾き、背骨も曲がる

⑤骨盤が傾かないので、胸郭の傾きで補う

⑥胸郭の傾きは少なく、骨盤の傾きが大きい

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さて、ここからが本題です。

 

横向きに寝ると足に坐骨神経痛が出る患者さんが二人いました。

一人は、上の方の足に出て、

一人は、下の方の足に出ました。

何が違って、神経痛の出る足に差があるのでしょうか?

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坐骨神経痛の原因は、ヘルニアなどいろいろありますが、

ここでは、椎間孔が姿勢により狭くなることで発症する坐骨神経痛で、狭窄部位がL5と仙骨間とみなして、説明をしていきます。

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この二人は、もともとL4と仙骨間の椎間板が薄くなっています。

椎間板が薄くなっている人の全てが、横向きに寝て、坐骨神経痛が出るわけではありません。

下の図のように、腰椎と仙骨がしなやかに曲がれば、一部の椎間孔を極端に狭くすることはありません。

 

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上の足に神経痛が出る場合は、①や③や⑤のようになっていて、

L5と仙骨間孔の片側上部分が狭くなっているのではないでしょうか。

(下図)

そして、したの足に神経痛が出る人は、○0や⑤のように、

片側下部分が狭くなっているのではないでしょうか。

(下図)

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なぜこのような歪みができるかは、簡単に説明できないくらい千差万別な原因があります。

だから、ここでは説明はできませんが、考えるためのヒントみたいなものは、そのうち述べていきたいと思います。

 

結局、正常でない背骨の並びになる原因を考えて、それを除去するように施術をすれば、

神経痛が消失または軽減できる一つの方法になるのではないでしょうか。