鍼施術で曲げた鍼を見て、考えたこと

先日、鍼治療をしていて、鍼を曲げてしまいました。

ひどく特殊に曲げてしまったので、みなさんに報告して、

今後の参考にしてほしいと思います。

鍼治療は、筋肉や組織を緩めるのに、大きな効果があります。

しかし、深鍼をする施術法は、慎重にやらないと、危険が伴います。

確かな解剖の知識と、熟練した施術技術のない方は、

安易に行わないでください。

一流の鍼灸師を目指す方へ

書家の中島仙舟という先生が書いた文章に、鍼灸師の道にも通じる言葉があったので紹介します。

単純に鍼を身体に刺すだけで病を治そうとする、我々鍼灸師にとっての心構えを、なんと分かりやすい言葉で綴っていることか・・

心を込めて打つ鍼が、単に刺す鍼とは効果が違うことを、

みなさんが感じていることでしょう。

鍼は薬物とは違います。飲めば効くようなものではありません。

だからこそ、心を入れるか入れないかで、大きな違いがあるのです。

そのため、このことを肝に免じて、鍼を打っていかなくてはいけないのです。

 

第1胸椎には、たくさんの筋肉が付着する

骨は、自力で動きません。

骨は、多くの筋肉の伸縮作用で動くことができます。

複雑な動きをするには、多くの筋肉が付着し、関連してきますが、

たぶん、第1胸椎ほどに、たくさんの筋肉が付着する骨はないのではないでしょうか。

(たぶんです。そこまで深く研究してないので・・)

第1胸椎自体は、そう可動する骨ではないので、支える点としての働きが大きいですが、

あちらからも、こちらからも引っ張られて、

ずいぶん疲労しやすい部位ですね。

 

では、第1胸椎に筋肉が付着する部位は、棘突起と横突起ですが、

そこに付着する筋肉を図にまとめてみました。

 

まず、棘突起に付着する筋肉です。

 

次に、横突起に付着する筋肉です。

筋肉の名前を見ても、ピンとこない人のために、筋肉の図を付け加えます。

まず、棘突起に付着する筋肉です。

次に、横突起に付着する筋肉です。

 

これほどだくさんの筋肉が付着して、バランスを取っているのです。

この部分がこって、固まりのように盛り上がっている人を診たことがあると思います。

骨の歪みで、棘突起が上に引っ張られている人もいます。

 

鍼の治療上、重要な部位の一つです。